[∈]”マネジメント経験”要求の早期化と人生100年時代のジレンマ

MBA、ちょっとずつ慣れてきましたが、さて。

今日は四方山な話。

London Business School の看板教授(実際はほとんど授業は持ってないらしいが)リンダ・グラッドンが著書「Life Shift」において提唱した”人生100年時代”は、言葉のキャッチーさも相まって、コンセプトとしての市民権を得た気がする。

一方で、MBAの界隈では、特に米国において聞かれるのは、「MBAの若年化」である。

▶ハーバードの新戦略「2+2」とは? ビジネススクールが大学生100人を「青田買い」

ハーバードビジネススクールの、学部卒時点でHBSの合格通知を出しつつ、2年間の就業経験を経て入学させる「2+2」プログラムが有名だ。

ガチモンの米国エリートが狙うのは、こういったタイムラインなのだろうなと、あえて欧州MBAに来た穏やかなアラサー米国人と話して今日思った。欧州MBAでは今も30歳前後が平均年齢だが、米国MBAの入学年齢はどんどん下がってきていて、26ぐらいに若くなってきている傾向がある。

MBAは、(目的は人それぞれとは言え)言ってしまえば「中間管理職(及びその先の経営者)養成学校」の側面が強いため、このトレンドを自分なりに解釈するならば、経営者を志す潜在層がより早くマネジメント層に就こうとしていること、

裏返せば、「早くMBA取って、若くしてどんどんマネジメント経験を積んでいってくれよ」という社会の要請があるということだと考えている。

そんなことを言いつつ、冒頭の「人生100年時代」である。

キャリアにおいてあまり触れられないが確かに存在する不都合な真実は、いかにポジティブな循環を最初から回していけるか、ということである。

何が言いたいかというと、「富めるものはより富める」と同じで、スキルがある者はより次の成長機会を得やすく、逆にスキルがない者はずっと誰もが出来るような仕事に従事させられてしまう。同時に、マネジメント経験の多寡の「格差」は広がっていくように設計されていると思う。

人生100年時代による「アクティブに働ける年数の増加」×「早期のマネジメント経験要請」の掛け算は結構恐ろしい。ここで問題にしているのは、あくまでサラリーマン、つまり被雇用者から経営側に昇っていくキャリアパスにおいてだが、今まで50歳で仕上がるぐらいの経験が例えば40歳に求められるようになっていく。

(もちろん日本企業において根強い年功序列はこの考えにそぐわないかもしれないが、いつまでもその制度が絶対的な地位を占めるとは到底思えない。)

しかしながら、50歳→60歳の10年で終わっていたその期間は、むしろ40歳→70歳の30年に伸びている見方は現実的だ。

こうしたときに、「XX歳までにあなた何人の組織をマネジメントしてきたの?本当にあなたはこの先、マネージャーたる存在なの?」という問いが早期にやってきて、そこで正の循環を回せるか、負の循環に陥るかで相当人生のモードが変わってくるということを考えてしまう。

そんなことをぼんやり考えつつ、クラスを見渡すとたくさん年下がいる。ちなみにHEC Paris MBA、僕のバッチの最年少は24歳だ。

「人生100年時代の落とし穴」なんて、流行らなさそうな名前を付けて、この雑なエントリを締めたい。

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