[∈]【映画レビュー】マージンコール


マージンコール

EURO2012、流石に3時30分スタートはオンタイムで見れませんね、さて。

San franCisco にいる先輩から薦められて、日本では劇場未公開の本作をTSUTAYAで借りてみました。
せっかくなので、レビュー投稿してみます。(※ネタバレ含む注意)

 

あらすじ

2008年、ニューヨーク。ウォール街の投資会社で大量解雇が始まった。解雇対象となったエリックは、アナリストのピーターに「用心しろよ」と意味深な言葉を残しUSBメモリーを託す。原子物理学の博士号を持つピーターは、その部署でリストラから生き残った数少ない1人だった。その夜、エリックから引き継いだデータを調べるピーターは、会社倒産をも招く危機的事態に気付き上司のサムに報告すると、深夜、緊急の重役会議が開かれることになる。8兆ドルもの資産の命運を左右しかねない状況で、彼らは経済的・道徳的にも崖っぷちに立たされることになっていく。決断の時は、刻一刻と迫ってきていた・・・。

Amazonコピペですいません。

感想

とにかく淡々と物語は進んでいきます。正直、伝わらない人にとっては、何だったんだこの2時間は?レベルの終わり方だと思います。ただ、一方で金融業界関係者、引いては、2008年9月某日の舞台に少しでも関わっていた人は、この淡々と24時間が過ぎていく感覚、キャストがそれぞれの立場によって人間が持つ醜い部分や抗える事の出来ない状況下での表情によって、画面に引き込まれると思います。激動の深夜、そして静かに夜が明け、徹夜で資産売却の準備をしながら迎える朝ほど怖いものはないでしょう。

本作の絶妙なところは、主人公を明確にしない点ではないですかね。ケビン・スペイシー演じるサムが、最後は、主人公のように描かれてエンディングを迎えますが、投資銀行内のそれぞれがあたかも主人公であるかのように表情を出す見せ場が用意してあります。会社に残れる者、残れない者、過去にリスクを指摘した者、しなかった者。何と言っても、見応えは、市場を欺き混乱させることに懐疑的な者、資産保全を第1に考える者の対立軸でしょう。

重役会議の場で、「私がこの業界に生き残っているのは知性のおかげではない」と言い放ったCEOのトゥルドはラストシーンにて、こう語ります。

「恐慌は繰り返され、勝者と敗者は同じ数だけ生まれる」

一方で、エリックの分析を完成させ、市場を混乱させる直接的原因となるレポートを作成したピーター(混乱後、昇進が決まる)と、市場を混乱させること、それが自分の信条に反することを分かっていながら、資産売却の指揮を取るサム(実際に売却をした部下のトレーダーたちはクビになるが自身は会社に残れる)が、マーケットが開ける前の白んだ朝に交わした会話がこの映画の真髄だと思います。

ピーター「(資産売却の)ほかに方法はないんですか?正しい方法が」
サム「誰にとって?」
ピーター「わかりません」
サム「私もだよ」

サムはラストシーン前にて、CEOに多額の金額を提示する形で会社に残留してほしいとお願いされ、「墓穴を掘った方が良かった」という台詞を吐きますが、それがラストシーンの描写につながっています。

金融の内部ドラマなどに興味があり、「ハゲタカ」などが楽しめる方にはお薦めです。
「ハゲタカ」よりずっと地味で、ずっとリアリティがありますが。

 

 

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