社畜、盆に帰らず。素晴らしいキャッチコピーを目にしたところで、さて。

最近は、メーカーさんにたくさん営業に行き、ハードウェア引いては専用端末の向かうべき方向性と、クラウドについて熱く語るのが仕事となっている僕ですが、そんな折、こんなニュースがありました。

ニコンがAndroidベースのデジカメ発表、SNS連携やアプリの利用が可能

これを見て、「スマホ？」というも良し、「ぷぎゃあｗ」というも良し、様々な反応がありえますが、
昨今のソニーやシャープの株価急落を受けて、少なからず「家電メーカー方向性だいじょうぶ？」と思われている方も多いと思います。でも良いか悪いか別にして、遠からず、黒物家電についてはこうなるんだろうなぁとぼんやりと考えています。

個人的にデジカメに望むものは、Android の機能なんかではなくて、コンデジのサイズで一眼のようにレンズ交換ができたり（それをミラーレスといいます）、もっともっと大型のセンサーで小型化（矛盾してます）するといったことですが、 実際にメーカーの企画担当者さんなんかと話していると、
ネタに詰まった締め切り前の漫画家みたいな精神状態になるのではないかなぁという想像が容易です。

 

スマホで良くない？って言われちゃう

こんな大学生A,B,Cがいてもおかしくありません。

A：旅行楽しみだね！
B：デジカメ持ってきた？
C：俺のスマホで撮れるよ！
A：動画も取って！
C：はいはい！

A：運転するからカーナビで目的地登録してくんない？
B：タブレット で調べてたからそのままMapとしてダッシュボードに置くね！
C：音楽聴こうよ！iPhone 貸して！「サカナクション流して！」

A：テレビみたいね！
B：タブレットで見れるよ！
C：ラジオ聴きたいね！
B：radikoで聴けるよ！
A：この前あの番組見逃したんだけど、録った？
B：録画しといたよ！　タブレットに転送するね！

……

 

いくつの機器が要らなくなった？

今の大学生の会話だけでも本来使われるべきだった機器がいくつもあります。

1.　デジタルカメラ
2.　デジタルビデオカメラ
3.　カーナビ
4.　ウォークマン（音楽プレーヤー）
5.　テレビ
6.　ラジオ
7.　HDDレコーダー

計7つの機器がスマホ／タブレットに置き換えられました。
更に言うと、上記を除いた黒物家電ってあと、何が残っているでしょうか？

黒物家電に期待されていた役割をまだスマホが果たしきれていないのは、

1.　そもそも性能に劣る
2.　スマホのバッテリーが持たない
3.　容量が足りない

この3つに集約されます。バッテリーや容量は外部との接続、例えばバッテリーはモバイルバッテリー、容量はクラウドと接続することで解決を見始めています。あとは、1のスマホが持つ「専用機に劣るスペック」がいつ「これ以上はあってもなくてもいいよね」という「イノベーションのジレンマ」のレベルに達するかどうかだと思います。

そうでなければ、カメラで撮ったらSNSで共有したいし、音楽もネットから落とせたほうがいいし、行きたいところを調べてすぐにMap表示ができた方がいいに決まっています。つまり、専用機の機能だけじゃ満足できなくて、アプリケーションを追加したいんです。

 

スマホっぽくすればいいじゃない

とは言え、カーナビメーカーが、「もうカーナビ開発はやめた。これからは我が社でスマホを作る」なんて言えるわけがありません。

「何とかうちの端末にWi-Fi 機能をつけて、SNSとかと連携するようなアプリケーションが動かせるようにしないと…。しかも、ただでさえ開発費がかさむのだからライセンスなどが無料のもので…」

そんなメーカー企画担当者の前に、救世主が現れるのです。

 

長くなってしまったので、続きます！

続き：Android はM2Mの夢をみるか？