[∈]『ケーススタディの方法』第一章・二章要約


 

「学部生時代の勉強を遺そう」第26弾。これにて終了です。

第1章+第2章の要約となります。

 

【要約】

 

本書は、リサーチを目的としたケース・スタディの設計と実施に関するものである。リサーチ戦略は階層的に配列するのは誤りであり、より適切な見方は、それを多元的に捉えることである。それぞれの戦略は探索、記述、説明という3つの目的全てに用いることが出来る。その中で、リサーチ戦略は、実験、サーベイ、資料分析、歴史、ケース・スタディといった5つの戦略に区別される。その区別は、以下の3つの条件によってなされる。
(a)提示されているリサーチ問題のタイプ
(b)研究者が実際の行動事象を制御できる範囲
(c)歴史事象ではなく現在の事象に焦点を当てる程度

それら条件下で、「誰が」「何が」「どこで」「どのように」「なぜ」といった一連の問いの種類によってカテゴライズされる。様々なリサーチ戦略を区別するためのもっとも重要な条件は、問われているリサーチ問題のタイプを、一連の問いによって識別することである。その定義には忍耐と十分な時間が必要であるが、研究において最も重要なステップであり、その方法の1つとしてトピックに関する文献をレビューすることが挙げられる。
ケース・スタディは、他の戦略と比べ2つの懸念がされる。1つは、リサーチに厳密さを欠くということ、1つは、科学的一般化の基礎をほとんど提供しないということである。
ケース・スタディを定義するとき、本書は2つの点から論ずる。1つは、ケース・スタディは経験的探求であり、(現象と文脈の境界が明確でない場合に)その現実の文脈で起こる現在の現象を研究する。1つは、リサーチ戦略としてのケース・スタディはデータ収集やデータ分析への特定のアプローチを取り込んだ設計の論理を持つ、全てを包括する方法からなる。

リサーチ設計とは、収集するデータ(及び導きだされる結論)を当初の研究問題に結びつける論理である。ケース・スタディ研究者は次の4つの側面の設計の質を最大限に高めなければならない。
(a)構成概念妥当性
(b)内的妥当性
(c)外的妥当性
(d)信頼性
である。

さて、ケース・スタディの場合、特に重要になるのが、5つの構成要素である。
1.研究問題
2.あるとすれば、命題
3.分析諸単位
4.データを命題に結びつける論理
5.発見物の解釈基準

設計では、1,2,3でどのようなデータ収集をすべきかを指示し、4,5でデータ収集後に何を行うべきかを明らかにしなければならない。他方で、これら5つの構成要素を網羅する完全なリサーチ設計には、ケース・スタディの実施に役立つ理論開発が必要である。この理論の役割は、「分析的一般化」であるが、それと「統計的一般化」の違いを理解することは重要である。なぜなら、ケースは「サンプリングの単位」ではなく、この理由でケースを選んではならないからである。

経験的な社会リサーチの質を確立するために信用性、信憑性、確証性、データ信頼性の4つのテストを扱わなければいけない。さらに、その際、戦術がケース・スタディのはじめではなく、その後の実施を通じて利用されるべきである。

ケース・スタディ設計には、2(単一ケース or 複数ケース)×2(全体的 or 部分的)の4タイプがある。単一ケースと複数ケースに関して、どちらを用いてリサーチ問題に取組むかはデータ収集に先立って決めておく必要がある。それぞれ異なった長所と短所があるが、その設計の選択は同じ方法論的枠組みにあり、リサーチ設計の1つと考えられる。つまり、両方ともケース・スタディ戦略に含まれるのだ。

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