[∈]『情報化と経済システムの転換』第5章 要約


 

「学部生時代の勉強を遺そう」第23弾。

【要約】

本章では、情報複製の限界費用がゼロに近いことに起因する、情報価値生産の協働組織化手法-より簡単に言えば情報材の収益モデル-構築の難しさに対して何らかの解決方法を提案する糸口を探求する。
まず、情報材ビジネスにおける言葉の定義をしておく。ビジネスの存在意義は価値生産の組織化であるが、「価値」とは「ネットワーク上における情報サービスの利用者が利用を行う誘因」とする。生成した価値を収益に転化するプロセスである「収益ドライバ」は、「情報サービスを提供する主体が課金を行う対象及びその単位」と定義する。
収益モデルを考えるにあたっては、ビジネスモデルを考えなければならない。それは以下の4要素で構成される。
(1) 提供する価値(どんな価値を提供するか)
(2) 提供メカニズム(価値の生産・提供メカニズムの設計)
(3) インセンティブ・モデル(必要な経営資源の集め方)
(4) 収益モデル(提供した価値に対する対価を受け取る形態)

方法論が確立していない情報サービスの収益モデルに対し、筆者は(1)希少性、(2)支払い主体の2つの軸を定め、分類にあたった。
<情報の受け手から収益を得るモデル>
疑似物財型:情報に課金し、情報そのものを物財のように売買するモデルである。

物財帰着型:情報の公開が物財の売買につながり、それによって収入を得るモデルである。

サービス帰着型:情報の公開がサービスの売買につながり、それによって収入を得るモデルである。

<情報の提供者から収益を得るモデル>
物財帰着型:情報の公開が物財の売買につながり、それによって収入を得るモデルである。

サービス帰着型:情報の公開がサービスの売買につながり、それによって収入を得るモデルである。

情報を提供し、欲しい人と売りたい人を結びつけることが、ネットの得意分野である。本書の分析上、ガイドラインは次の2つに要約される。(1)「提供価値」と「収益のドライバ」を分離して考えること。(2)収益化にあたっては情報材が何らかの形で希少性のある財に帰着されて販売されると言う点で販売されると言う視点で、何の希少性に帰着されているかを主たる観察対象とすることである。すなわち、情報価値は収穫逓増原理で生産することが有効であるが、収益化するにあたっては収穫が逓減するようなモデルの方がいいと言うことだ。
ただし、帰着させる希少性を何であるか考えるかについては改良の余地がある。今日、最も希少ともいえる顧客の認知を調達して、財を販売したい事業者に販売していると認識することもできるだろう。

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