[∈]「次世代のイノベーションを生む製品のモジュール化-」『Harvard Business Review1998年1月号』


 

Harvard Business Review
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「学部生時代の勉強を遺そう」第15弾。今回は論文です。

Carliss Y. Baldwin and Kim B. Clark, “Managing in An Age of Modularity,” Harvard Business Review, September-October 1997, pp. 84-93(邦訳:坂本義実「次世代のイノベーションを生む製品のモジュール化」『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス』1998 年 12・1 月号, P130~141.)

 

【要約】

「モジュール化」とは、それぞれは独立して設計でき、しかも全体としては統一的に機能する小規模なサブシステムを用いて、複雑な製品やプロセスを構築することである。コンピュータ産業では、このモジュール設計の適用によってイノベーションのペースを早めた。モジュール化は技術の複雑化に対する解決策だ。製品をモジュールに分解することで設計者、製造者、ユーザーは大幅な複雑性を扱う。モジュール化はコンピュータ、自動車、金融サービスなど幅広い業種に広がっている。

モジュール化の原理として、「設計のモジュール化」がある。これは、明示的設計と埋設設計パラメータに設計を分け、また明示的設計ルールを構築することでシステムをモジュールで作り上げる原理だ。IBMはこのアプローチで成功するとともに、長期的な市場支配の土台を失うこととなった。

さらに、別のタイプとして「使用におけるモジュール化」がある。これは、消費者に各構成要素を組み合わせて自分たちの好みとニーズに合った製品を作ることができる。

しかし、もし「モジュール化」が多くの利点を持っているのなら、なぜ全ての製品が完全にモジュールにならないのだろうか。それは、モジュール・システムが対比される相互連関システムに比べ設計が遥かに困難だからである。モジュール群が機能するための明示的設計ルールの構築には、製品やプロセス全体の内部的な働きに通暁している必要がある。さらに、事前にルールを設定した後は見守ることしかできず、全体統合された後ではじめて、機能不全などのモジュール化の問題が表面化する。

だが、我々はモジュール化の大いなる発展の時期に入っている。設計ルールの設定に必要な深い製品知識を手にすることが容易になっているからだ。モジュール化は企業間の関係をも変質させている。モジュール市場の二重構造から見て企業幹部は、二つの競争戦略の選択に迫られる。製品の明示的情報や設計ルールを創造するアーキテクトになるか、他者のアーキテクチャに合致するモジュールの設計者(メーカー)になるかである。アーキテクトはそのアーキテクチャの優位性の証明、メーカーは埋設情報の習熟と市場判断に基づいた機敏な行動が求められる。

モジュール化は、イノベーションの飛躍的進展とともに設計プロセスの不確実性を増進する。市場と技術の劇的な変化に対応するために、幹部は内部組織の「モジュール化」を求められる。リーダーは、日頃から技術や技能、金融の選択肢の複雑な選択肢のポートフォリオを創造し、監視し、培養する聡明さが必要であるとともに、高度な技能と革新への意欲を持った従業員を採用し、製品の背後にある知識について詳細に理解することが重要である。

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