[∈]『オープン・イノベーション』要約


 

「学部生時代の勉強を遺そう」第14弾。
【要約】

イノベーションのプロセスが大きな変化を遂げている。クローズド・イノベーションからオープン・イノベーションへ、本書は私たちが経験している、「イノベーションのパラダイム・シフト」を解説する。

20世紀は、企業内研究所の時代だった。大企業は、企業内部に「中央研究所」を設置して優秀な人材を獲得し、巨額の設備投資のもと長期的研究開発を行なった結果、「規模の経済」を発揮して業界を独占し巨額の利益を得た。独力で発見・開発・商品化まで手掛けるイノベーション・プロセスは、企業内研究所に代表される中央集権的かつ垂直統合的な「クローズド・イノベーション」である。XeroxのPARC研究所は代表的な成功例だが、その歴史はクローズド・イノベーションの限界も示している。PARC研究所は優れたイノベーションを生み出しXeroxの成長に貢献する一方で、棚上げされた技術の中からスピンオフされた企業群が生まれ成功を収めた。

クローズド・イノベーションが時代遅れとなった理由として、優秀な労働者の増加と流動化、ベンチャーキャピタルの台頭、棚上げされたアイデアの流出、外部サプライヤーの増加などが挙げられる。PARCの例のように、自社で採用しないアイデアはバッファーに棚上げされるのではなく社外に流出し、他の企業が商品化してしまう。イノベーションは、開放的な環境で研究・開発を行っていかなければならなくなった。

オープン・イノベーション手法は、周囲の知識を利用していく。具体的に言えば、次のような戦略となる。自社外にある部品と知識を有効に活用し、知識創造と共に知識結合を行っていく。自社が研究したアイデアを他社に利用させ、自社が利益を得るように知的財産権を用いる。ベンチャー企業やベンチャーキャピタルをビジネス・パートナーと考え支援・提携する。社外の研究開発の道を示し知識の代謝スピードを速める。社内の研究開発部門は、部品の相互依存関係を減らしシステムをモジュラー型にする。重要なことは、そのアーキテクチャの中で何を自社で開発し、何を他社の開発部品で用いるか見極め、それらをどう結合するかである。

イノベーションによりどこで価値を創造し利益を獲得するかというビジネスモデルの構築も非常に重要である。ビジネスモデルの役割は、

①    バリューポジションの明確化

②    マーケットセグメントの発見

③    バリューチェーン構造の明確化

④    収益のメカニズムの特定とコストやマージンの見積もり

⑤    バリューネットワークにおけるポジションの確認

⑥    競争戦略の策定

が挙げられる。企業が経済的価値を実現するのは、テクノロジーではなくビジネスモデルの選択に依存する。オープン・イノベーション時代では、既存のモデルに安住せず、枠外の分野に視野を広げ、テクノロジーに適したビジネスモデルを追及することが重要である。

 

 

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