[∈]『市場・知識・自由』第2章要約


 

「学部生時代の勉強を遺そう」第13弾。

第2章の要約です。
【要約】

経済政策あるいは合理的な経済秩序を設計しようとするとき、我々が解決するべき主要な問題は、全ての個人間に分散された知識を利用する最良の方法は何かという問題である。

地域や交通など、時と場所の特殊状況についての重要性を認めないことは、変化というものの重要性を認めないことだ。競争的産業において費用の高騰を防ぐことは経営者の課題であるように、経済問題は常に変化の結果としてだけ生起する。現代では、統計的集計量は変化の重要性を軽視するが、それが示す大きな安定性は不規則的変化の相殺では説明できない。筆者が問題にする知識の種類は性質上、統計には属さない。時と場所の特殊状況における変化に急速に適応するために、最終的決定は、その事情と重要な変化に対応するための資源を直接的に知る人々に委ねられねばならないが、知識を集合させ統合した後に指令を発する中央計画経済には解決できないのが明らかである。これを解決できるのは上述の特殊事情についての知識が即時に利用される非中央集権化した形であろう。しかし、より大きな経済システムの変化の全パターンに最終決定者である「現場の人」の意思決定を適合させるために、彼の周辺の事実を超える情報の伝達が問題として残る。ただ、彼が関心を持つのは常に特定の諸財の相対的重要性である。

関連のある諸事実の知識が多くの人々に間に分散している体制においては、価格が様々な人々の別々の行動を調整する役割を果たすことができる。市場では、構成員たちの限られた個々の視野が数多くの媒介を通して、関係ある情報が全ての人に伝達されるように重なり合う。価格システムは、個々の参与者たちが正しい行動を取るために必要な知識を最小限にとどめ、状況の過程に関係ある全ての人々に(実際は)分散している、全情報を所有する一つの知性によって達成される(このことは観念的にのみ可能であるが)解決を成し遂げる。

価格システムは人間がそれを理解することなしに偶然に発見した後、利用することを学んだ形成物の一つである。価格システムによって分業だけではなく、同じように分割された知識を基礎とする、資源の調整された利用が可能になった。現存のシステムの一定の特徴が維持されうる代替的システムを設計することには今まで成功していない。価格システムなしには、我々の社会のように広汎な分業を基礎とする社会を維持できないのである。

 

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